(注)2潮見観世音縁起書
  「寺院発行のパンフレット」より
 当山安置の潮見観世音菩薩は、その昔当山前の太平洋海中より御出現の霊像にましまして、最も不思議の霊験を垂れさせ給う事、茲に久しく昔より伝えられて居ります。
 承応三年(1654)白須賀宿の南海に、霊光赫々として空に沖に四辺を照暉(しょうき)して、白昼を欺(あざむ)き潮音常に異なり天鼓(てんこ=雷鳴)の如くに聞こゆ、漁夫等不思議に思い、舟を浮かべて異光のある所を遠近(おちこち=あちらこちら)と尋ねたるも、唯一様の霊光にて何処とも定め難きを尚も怠らず二夜、三夜が間綱をもってこれを探りしに、感応(かんのう=信心が神仏の霊に通ずること)実に空しからず其の三月十日の夜漁舟に近く(霊光)波に浮かび来りしかば、漁夫ら恐れつ畏(かしこ)みつ舟に引き揚げよく見れば、聖観音の霊像御丈一尺九寸(71cm)の木像なり。妙相は端厳(たんごん・たんげん=ただしくおごそかなこと)にましませば喜び迎え安置す。後に「潮見観音」と称せらる。
 海上安全を願う為に昔は往来の舟は、海より必ず帆を下げて観音を念じ通り過ぎたと云う、其のため「帆下げ観音」とも称した。又漁師等、魚の取れた時は真っ先に裸参りにて、観音に魚を供えて御礼参りしたと言う事である。
 宝永4年(1707)富士爆発、大津波ありたり、其の時岡山の城主池田綱政(1638〜1714)公、江戸よりの帰途白須賀宿、本陣に館(やかた)せられ潮見観音の霊夢に依り命助かるの奇跡ありたり、今の世にも不思議なる助を受ける人多し。
  尚、現在海上安全・交通安全・身体強健・家内安全の祈願あり。
  大祭  一月十日  八月十日
  月並  毎月十日
   湖西市白須賀
    龍谷山 蔵法寺
        電話(05357)9−0137